2025年11月1日, 18:00
人道の港 敦賀ムゼウム
福井県敦賀市金ケ崎町23-1
ミェチスワフ・ヴァインベルク:2つのマズルカ(1933年)
川口 成彦(ピアノ)
アレクサンデル・タンスマン:ファゴットとピアノのためのソナチネ(1952年)
アリツィア・キェルザルスカ(ファゴット)
川口 成彦(ピアノ)
池内 友次郎:日本古謡によるバラード(1936年)
クリスティーナ・レイコ・クーパー(チェロ)
川口 成彦(ピアノ)
ジョゼフ・アクロン:ヘブライの子守歌(1919年)
アーニャ・カルポーヴィチ(フルート)
クリスティーナ・レイコ・クーパー(チェロ)
川口 成彦(ピアノ)
グジェゴシュ・フィテルベルク:ピアノ三重奏曲 作品10(1901年)
アーニャ・カルポーヴィチ(フルート)
クリスティーナ・レイコ・クーパー(チェロ)
川口 成彦(ピアノ)
プログラムの幕を開けるのは、若きミェチスワフ・ヴァインベルク作曲による2つの「マズルカ」である。1939年9月に包囲されたワルシャワから東側に逃れることになる彼がその何年も前にワルシャワで書いた作品だ。続いてお届けする超絶技巧的作品「ファゴットとピアノのためのソナチネ」は、ポーランド系ユダヤ人でパリに移民したアレクサンデル・タンスマンが1952年に書いたもの。その第2楽章では言葉のない哀歌の性格を持った、ぐっと身にせまる歌が奏でられる。これに続く「日本古謡によるバラード」は1936年に池内友次郎が作曲したもので、時間の流れを穏やかに受け入れる表現が特に注目される。ジョゼフ・アクロンの「ヘブライの子守歌」は、まるでリトアニアの狭い路地で、夕方、とある家の窓からふと聞こえてきたかのような風情があり、杉原千畝やヤン・ズワルテンダイク、タデウシュ・ロメルら3人の外交官の勇気によって救われた子どもたちの姿を彷彿とさせる。演奏会を締めくくるのは、グジェゴシュ・フィテルベルクの「ピアノ三重奏曲 ヘ短調」作品10。傑出したユダヤ系ポーランド人作曲家であり、第3楽章のエレジーはとくに美しい。
アーニャ・カルポーヴィチ